やさしいきもち

~人が好き。人の笑顔を見るのが好き。誰しもが幸せであることを祈り、綴る言葉のあつまり~

戦士の声 天使の声


数日前の朝早く、

携帯の留守電にある人からのメッセージが入っていました。


石巻のUです。生きてますので・・・。

今病院から救出されて、医療援助に回ってますので・・・』


それは、あの震災から2週間が過ぎようとしていた朝でした。

このメッセージをくれたのは、

私の十数年来の友人で、

今回、大きな被害を受けた石巻の地域医療を

十年にわたって牽引してきた外科の医師です。

彼は医療界という大きな組織の中にいながらも、

常に目の前の患者さんの事だけを考え、

懸命にいろんなものに立ち向かってきた、尊敬できる素晴らしい医師です。


震災後、ずっと心配で気になっていましたが、

なかなか連絡がとれず、

ようやくメールを送った翌日に、

彼からのメッセージが届いたのです。


生きていてくれた・・・


彼の声を聞いて、涙が溢れてきました。

めちゃくちゃになった病院の中で、

医療物資も、食料も何も届かない中で、

彼らは極限状態に陥りそうになったそうです。


救出されたあともすぐに、

離れて生活する家族とも会わずして、

彼は石巻の医療の現場に

立ち続けています。


私には、

彼が、戦いに挑む戦士のようにも思えましたし、

また、患者さんや困っている人のために手を差し伸べる、

あたたかい天使のようにも思えました。


命は繋がっているのです。

助けられた彼の命は、

また誰かを助けるために戦っています。

正義感、責任感、使命感を当然のように持った、

彼らしく。

彼がこれからも、

たくさんの命を救ってくれると

信じています。



あの日の朝、私は確かに、

戦士の声、

そして、天使の声を聞きました。