やさしいきもち

~人が好き。人の笑顔を見るのが好き。誰しもが幸せであることを祈り、綴る言葉のあつまり~

目を閉じて


目を閉じて

思い浮かべてください


まっすぐ遠くに伸びる道に

けやき並木が

どこまでも続いている様子を


同じ場所で

同じ季節を感じて

同じように雨の雫をあびて

同じ風を受けて


そうやって仲良く並んでいる

けやき並木を


でも

一つの木は ほとんどその葉を落とし

最後の一枚の葉の舞い落ちるその時が来るのを

静かに 静かに

待っている


また別の木は

師走も近づくこの寒さの中で

春の青々と茂る 生命力あふれる葉を

未だにずっと

そのままの形を残したまま


また別の木は

葉の色を

黄色に 赤に

そして茶色に変化させ

見るものの心に

秋に訪れを知らせている


きっと

私たち人間も一緒


同じ地球に足を下ろし

同じ空気を吸って

同じ太陽の光をあびて

同じ母なる大地の懐で命を燃やし


でも

誰一人として同じ人間はいない

誰一人として


その人の

その人だけの

その人のための心と体で

今を生きている


どんなに姿かたちこそ違えども

まっすぐに

空高く伸びるけやきのように


私たちも

自分に自信を持って

凛として

凛として

生きていければ

素敵だと思う